2016年5月2日 3日目
下北半島、恐山に行きました。
恐山には菩提寺(ぼだいじ)というお寺があります。正確な記録はありませんが、伝承では、唐に留学中の円仁(慈覚大師)が 「汝、国に帰り、東方行程30余日の所に至れば霊山あり。 地蔵大士一体を刻しその地に仏道を広めよ」という夢告をうけ、帰国後、夢で告げられた霊山を探し歩いて、862年に恐山を開山したと言われています。
恐山は火山ですが、噴火したのは1万年以上前です。今も火山性ガスが噴出しいて、温泉が湧いています。恐山に行って、体調が悪くなるという話がありますが、これは、霊的なものではなく、火山性ガスによる影響が大きいと言われています。
恐山からは硫黄が産出し、明治期から昭和にかけて鉱山として開発されました。現在、鉱山は閉鎖しています。
また、恐山では温泉物の沈殿物として、金が発見されています。鉱石1トン当たり400グラム~6500グラムの埋蔵があるとされており、世界でも最高品質の金の鉱脈です。しかし、金が発見されたのは恐山が国定公園に指定された後だったため、金の採掘は法律で禁止されています。
寺の西側には白い岩石が露出した荒涼とした風景が広がっており、なんとなく不気味な風景を感じます。
菩提寺の境内、結構広いです。
謎の亀がいます。
周囲は山に囲まれています。湖もあります。
近くに三途川があります。
三途川には赤い橋が架かっています。
三途川には、奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)が居ます。伝承では、三途川の船の渡し賃として、六文が必要と言われています。六文を持っていないと、渡し賃のかわりに奪衣婆に衣類を剥ぎ取られます。奪衣婆が剥ぎとった衣類は懸衣翁によって、衣領樹の枝にかけます。衣にはその者の生前の業が現れ、枝の垂れ具合で死後の処遇が決まるとされています。
中国由来の経典「十王経」には、死後の世界の話が記されています。
それによりますと、人が亡くなって三途の川までやってくると、そこに「奪衣婆」が待ち構えていて、身ぐるみはがしてしまうのだそうです。その衣類を「憑依爺」が受け取って、かたわらの柳(衣領樹)の枝に懸け、その枝の垂れ具合で、生前の悪業の軽重を推量します。
この後、閻魔様などの前に出て、地獄か極楽か、どこに行くのか言い渡されるということです。
日本では江戸時代末に民間で、信仰されました。
評価
- 満足度: ★★★☆☆ 3 特に何があるというわけではないけど、下北半島に来たなら一度は行ってみてはいかがでしょうか。