商店街の空き店舗をホテルとして再利用 SEKAI HOTEL Fuse

商店街の空き店舗をホテルとして再利用し、食事やお風呂は商店街を散策しながらあちこちに点在するお店で楽しめる。そんな商店街をまるごとホテルにしたような、これまでにない新しい宿泊体験が人気を集めています。

廃れゆく商店街に新たな活気を

東大阪最大の布施商店街。戦後に誕生した商店街は日本有数の巨大商店街として賑わい、一時期は780もの店舗が軒を連ねていました。しかし、少子高齢化や大型商業施設の進出により現在の店舗数は約400と半数近くに激減。最近は店主の高齢化が進み、ますます空き店舗が目立つようになり、日本のあちこちにある廃れゆく商店街の一つでした。

そんな商店街が、あるホテルの進出により再び活気を取り戻しつつあります。

そのホテルの名前は「SEKAI HOTEL」。<旅先の日常に飛び込もう>をキャッチフレーズに、これまでにない新しい宿泊体験を提供するホテルです。

商店街全体を大きなホテルへ

「SEKAI HOTEL Fuse」のホテルは商店街の空き店舗を再利用しています。

そのため、ホテルの部屋や食事場所、入浴施設が商店街のあちこちに分散しています。

部屋は店舗の看板などレトロな雰囲気はそのままに、室内や外装はフルリノベーションすることでモダンで快適な空間になっています。

入浴は商店街にある銭湯を利用することができます。今では珍しくなった薪から沸かした湯を堪能することができ、大浴場の他に露天風呂、サウナもあります。

施設内にユニットバスタイプのおしゃれなお風呂が備え付けられている部屋もあります。

夕食は提携している商店街の店舗から好みに合わせて選ぶことができ、朝食は喫茶店でモーニングセットを楽しめます。

素泊まりプランを選んで、夕食や朝食を完全に自由にすることもできます。

入浴施設や食事場所が分散しているので、商店街を散策しながら、買い物や食べ歩きを楽しむことができます。

まさに、商店街全体がまるごとホテルになったような、新しいタイプのホテルです。

これまでにない宿泊体験ができると話題で、土日祝日は19室ある客室はほぼ満室の状態、宿泊予約は前年比1.5倍の人気ぶりです。

昭和レトロを”体験”する旅

最近は、ただ観光地を巡るだけではなく、旅行に何らかの「新しい体験」を求める人が増えています。

以前は商店街で買い物をすることは普通のことでしたが、現在は、スーパーや大型商業施設でしか買い物をしないという人が増えています。

若い人の中には、商店街で一度も買い物をしたことがないという人も珍しくないでしょう。

昭和レトロな商店街で買い物をするということが、普段の生活ではできない、「非日常」の新しい体験になるのです。

布施商店街は戦後から続いてきたレトロな商店街です。レトロブームで昭和風を謳った施設は増えていますが、布施商店街には作り込まれた偽物ではなく、ありのままの本物があります。

「非日常」の「リアル」な体験を求めて、商店街ホテルというこれまでにない新しい宿泊体験に人が集まるのでしょう。

参考