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海外アフィリエイトを利用していたり、海外向けECサイトを運営していると、売上がドルで支払われることがあります。
ドルで支払われる海外の売上の仕訳方法を紹介します。
1月に100ドルの売上があり、2月28日に支払われるとして解説します。
1. 売上が上がった時点の為替レートで仕訳する
ドルでの売上は、売上が上がった時点の為替レートで日本円に換算して仕訳します。
記帳のタイミングは日本円の場合と同じです。売上が上がった時点(アフィリエイトなどの場合は月末にまとめて)で、借方科目を「売掛金」、貸方科目を「売上」として記帳します。
1月に100ドルの売上があり、1月末の為替レートが1ドル=120円だったとします。記帳する金額は、100ドル × 120円 = 12,000円 になります。
日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|---|
1/31 | 売掛金 | 12,000円 | 売上 | 12,000円 | 1月分売上/100USD 1USD=120円 |
摘要欄(メモ欄)にドルベースの売上金額、為替レートを記載しておくと、あとで見返したときに分かりやすくなります。
小数点以下は四捨五入します。
2. 為替レートはTTMを使用する
為替レートは銀行のサイトなどで確認をします。取引銀行にこだわらず、どの銀行の情報でも問題ありません。
私は三菱東京UFJ銀行のデータを使用しています。
過去の為替レートを確認できるので、あとから記帳するときも楽です。
為替レートを確認したい月の「月末・月中平均」のリンクをクリックします。カレンダー内の日付をクリックすると各日付の為替レートを確認することもできます。
為替レートはTTS(売値)とTTB(買値)の中間値であるTTM(仲値)を使用します。
TTSとTTBは銀行のサイトで確認できるので、TTMは自分で計算します。
「月末TTS」と「月末TTB」とという列に記載されている為替レートの中間値が月末TTMになります。下記の表の場合は TTSが111.00円、TTBが113.00円なので、TTMは (111.00円 + 113.00円) ÷ 2 = 112.00円 になります。
3. ドルの売上が実際に入金されたときの仕訳
ドルの売上が入金された場合は、支払い時の為替レートで再計算します。売上が多くなったときは差額を「雑収入」、売上が少なくなった場合は差額を「雑損失」で処理します。勘定科目は「雑収入」「雑損失」の他には、「為替差益」「為替差損」を使用することもできます。
1月分の売上が2月28日に支払われたとします。
1. 売上が多くなるときは「雑収入」
2月28日の為替レートが 1ドル=130円だった場合、100ドル × 130円 = 13,000円 が入金されます。売上が増えるので、差額を雑収入として処理します。
日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|---|
2/28 | 普通預金 | 13,000円 | 売掛金 | 12,000円 | 1月分売上入金/100USD 1USD=130円 |
2/28 | 雑収入 | 1,000円 | 為替差益 |
2. 売上が少なくなるときは「雑損失」
2月28日の為替レートが 1ドル=110円だった場合、100ドル × 110円 = 11,000円 が入金されます。売上が減るので、差額を雑損失として処理します。
日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|---|
2/28 | 普通預金 | 11,000円 | 売掛金 | 12,000円 | 1月分売上入金/100USD 1USD=110円 |
2/28 | 雑損失 | 1,000円 | 為替差損 |