FCX(フリーポート・マクモラン)は、銅の生産会社大手です。
チャートはフリーポート・マクモランの日足です。
サポートラインのテスト中です。3日間サポートラインの上を維持しています。今のところ、反発しそうです。
世界的に銅の需要は回復基調にあります。
こちらは、銅価格の週足チャートです。
長らく下落トレンドとそれに続くレンジ相場でしたが、昨年の11月を境にレンジをブレイクアウトして、上昇トレンドに転換しています。
銅価格については、需給関係の改善から強気の見方が多いです。
RKキャピタル・マネジメントの共同創業者で、30年にわたって金属業界に携わっているリリー氏は上海で銅業界幹部らに対し、今年から銅山の生産に支障が出る割合が高まるため、2020年にかけて供給は需要を下回るとの見通しを示した。
リリー氏はレッド・カイト・プロスペクト・ファンドのポートフォリオマネジャーとして講演。世界の人口増加に伴い銅の新規需要が拡大する一方、新規銅山の開発には依然として多額の資金がかかり、鉱山会社にとってリスクが高いと指摘した。レッド・カイト・グループの他の資産運用者は異なる見方をしているかもしれないが、同氏は中国の銅需要は今年3.5%、来年3%それぞれ増加するとみていると述べた。
リリー氏は「個人的にはこれらの数字は保守的で、中国の需要はより高い伸びを示す可能性があると思う」と語った。
銅価格が順調にも関わらず、最近のフリーポート・マクモランの株価が軟調なのは、インドネシア政府が導入した新規制が関連しています。
フリーポート・マクモランは、北米、南米、インドネシア、アフリカに銅山を持っています。
主要鉱山は、インドネシアのグラスベルグ鉱山です。
インドネシア政府は、新規性を導入し、精錬前の鉱物を輸出する企業に、「IUPK」と呼ぶライセンスの取得を義務付けました。ライセンスを取得した場合、10年以内に地元子会社の株式の半分の売却や、輸出税の支払いが必要になります。
フリーポート・マクモランがこれに反発し、銅鉱山の操業を停止しています。また、政府に圧力をかけるため、地元労働者の解雇にも着手しています。
この問題を解決するため、2月17日から政府と120日間の交渉を行っています。
フリーポート・マクモランの株価はインドネシア政府との対立を嫌気して、軟調になりました。
一方で、この対立はパフォーマンスに過ぎないので、フリーポート・マクモランがインドネシアでの権益を失いことは無い、という意見もあります。
フリーポート・マクモランは、インドネシアの経済開発に多大な貢献をし、インドネシア政府と長年、2人三脚で歩んできました。インドネシア政府側も、そのことは十分に理解しています。
ですが、政府が一企業と蜜月な状態が続くと、野党や国民から批判を浴びます。
そこで、この批判を和らげるために、対立を演出しているだけだという見方です。
この見方が正しい場合、フリーポート・マクモランとインドネシア政府の対立は、いずれ落ち着くと考えられます。
チャート上は、サポートラインを維持できるかどうか、に注目したいと思います。