NYダウの日足チャートです。
上の赤い線が21000ドルのラインです。
昨日のNYダウは大きく窓を空けた強い寄付きで、21000ドルを突破しました。
下の赤い線は20000ドルのラインです。
少し前まで、20000ドルを超えられるか?とみんなあれこれ言っていたのが懐かしいくらいです。
21000ドルを突破したのは、昨夜のトランプ大統領の議会演説が大きな買い材料になったため、という意見が多いです。
トランプ大統領の演説は、落ち着いた内容で、系統的で、威厳があり、大統領にふさわしい人材であることを示すのに十分な内容だったという意見があります。これまでのような独裁的な姿勢も見られず、国民の団結と調和を強調した内容だったことも安心感をもたらしたようです。
一方、期待されていた税制改革やインフラ投資については、これまでの繰り返しであり、具体的な内容は提示されませんでした。
さて、大統領の議会演説の前、多くのアナリストや専門家は、「相場は税制改革やインフラ投資への「期待」で上昇しているが具体的な施策は明らかになっていない。大統領が演説で具体的な施策を明らかにしなければ、期待感が縮小し、相場は下落する。」と予想していました。
さらに踏み込んで、「過去の議会演説で大統領が具体的な経済政策について述べたことがほとんどないから、相場は下落するはずだ」という予想もありました。
機関投資家など大きなポジションを動かす人や、逆張り狙いの個人投資家は、この意見に賛成し、演説前に大きな空売りポジションを作っていたようです。
ところが、大統領演説が終わっても、相場は下げませんでした。
空売りを仕掛けたていた投資家は、仕方なく、空売りのポジションを買い戻しました。
これにより、ショートスクイーズが起こり、今朝の窓を空けた強い寄付きになった、という意見があります。
さらに、この強い寄付きに連動したアルゴリズムによる注文が入り、相場をさらに押し上げたようです。
アナリストや専門家は、「大統領の演説は、落ち着いた内容で、系統的で、威厳があり、大統領にふさわしい人材であることを示すのに十分な内容だったので、相場が上昇した」と言っています。彼らの多くは、少し前まで「大統領が演説で具体的な施策を明らかにしなければ、期待感が縮小し、相場は下落する。」と言っていました。
アナリストや専門家の意見は、そんな見方もあるんだな、程度に思っておく方が良さそうです。
特に、「この日がリスクになる」とあらかじめ分かっている場合、多くの市場参加者はリスクに備えた準備をしています。それどころか、「リスクが起こることにかける」逆張りの投資家もいます。全員がリスクに備えている場合、リスクが起こっても何の反応も無いか、一時的に反応しても、元に戻る、それどころか、想定とは逆方向に進むことが多いようです。