箱根に一泊してきました。
大涌谷、箱根水族館、富士屋ホテル、箱根ガラスの森美術館を巡ります。
大涌谷
大涌谷は、約3000年前の箱根火山最後の爆発によってできた、箱根火山最大規模の噴気地帯です。
荒涼とした大地に白煙が立ち昇る独特の景観から、箱根を代表する観光スポットになっています。
江戸時代までは、「地獄谷」や「大地獄」と呼ばれていました。1876年の明治天皇、皇后の行幸に際して「大涌谷」に改称されます。
現在は、箱根ロープウェイや駐車場が整備され、容易に訪れることができるようになりました。
「1個食べると7年寿命が延びる」と言われる「黒玉子」が有名です。黒玉子は温泉を利用して作られるゆで卵で、特徴的な黒色は、温泉に含まれる硫黄と鉄分が結びつき黒い硫化鉄となり、卵の殻に付着したものです。
大涌谷周辺にはハイキングコースがありましたが、現在は火山活動が活発化しているため、立入禁止になっています。
モクモクとした白煙が立ち昇り、大自然の息づかいを感じます。
ゴツゴツとした岩肌の荒涼とした大地です。
箱根山の最高峰(標高1,438m)、神山(かみやま)を臨むことができます。天気がよければ、芦ノ湖や富士山の眺めも良いです。
箱根水族館
曇りで天気が悪く、雪もちらついて来たので芦ノ湖観光は諦めて、屋内でゆったりと過ごせる箱根水族館へ。
プリンスホテルの複合リゾート施設、箱根園の中にあります。
標高723メートル、日本で一番標高に高いところにある水族館です。芦ノ湖湖畔に面しています。
海水館と淡水館があり、450種類32,000点の生き物が展示されています。
園内で使用する海水は、タンクローリーで毎日輸送されているそうです。
今年仲間入りしたばかりのアオウミガメです。高さ7メートル、1255トンの巨大水槽を優雅に泳いでいました。
尾ひれの付け根と唇のオレンジ色、お腹の黄色、背びれの黒色が綺麗な魚です。ミヤコテングハギというそうです。
バイカルアザラシのショーが行われていました。
バイカルアザラシは、世界で唯一、淡水のみに生息するアザラシで、ロシアのバイカル湖や周辺の河川に、およそ9万頭が棲息しています。
体長100-140cm、体重50-90kgと、他のアザラシに比べて小型です。
潜水を得意とし、数十分のあいだ、潜水していることができるそうです。
妊娠期間は9.5ヶ月とのことなので、人間と同じくらいですね。
寿命は50~55年と、他のアザラシに比べて長いです。一般的なアザラシは30年前後と言われています。
バイカルアザラシは警戒心が強く、演技をさせるのは難しいそうです。
箱根水族館は、日本で初めてバイカルアザラシのショーを成功させました。
イルカのショーの様な派手さはありませんが、ほのぼのとした心温まるショーです。
箱根園からは、駒ヶ岳ロープウェーで標高1,327mの箱根駒ヶ岳の頂上まで行くこともできます。
天気がよければ、山頂から芦ノ湖や富士山を見渡すパノラマビューが楽しめます。
残念ながら今回は天気が悪かったので見送りました。
富士屋ホテル
お宿は宮ノ下温泉にある富士屋ホテルへ。
1878年(明治11年)創業、今年で創業140年を迎える老舗ホテルです。
国の登録有形文化財にもなっている、和洋折衷の木造建築が魅力です。
創業から5年後の1883(明治16年)に宮ノ下大火により全焼しましたが、火災の翌年には本格的な洋風建築として立て替えられ、19世紀から21世紀に至るまで、竣工当時の面影を残しながら営業を続けています。
「外国人を対象とした本格的なリゾートホテル」を目指して創業され、外国人専用の時期も長かったため、館内には日本文化を伝える展示や工夫がされています。
箱根を訪れる国内外の多くの著名人に愛用されており、昭和天皇やタイ国王、ヘレン・ケラーやチャーリー・チャップリン、ジョン・レノンとオノ・ヨーコも宿泊しました。
第二次世界大戦末期の1945年には、東京への空襲から避難した、ドイツやイタリア、満州国、中華民国などの大使館員や武官の宿舎として使用されていました。また、箱根にはこの他にも多くの外国人が疎開していました。戦時中、箱根は空襲を免れており、これは、日本政府が中立国であるスイスを通じて連合国側に対し、「箱根地区を非戦闘地区に指定する」旨を正式に通報したためと言われています。
戦後はGHQに接収され、連合軍専用のレストラン・ホテルとして営業していました。この間、カスケードルームでは毎晩のように舞踏会が行われていたそうです。一般営業に戻ったのは1954年(昭和29年)になってからです
来年の2018年4月から改修工事が行われる予定で、一時休業に入り、しばらくは宿泊できなくなります。大浴場の設置や客室の改装が行われるそうです。営業再開は2020年春の予定です。
私たちは西洋館に宿泊しました。食事のフレンチはビーフシチュー、デザートのフォンダンショコラが美味しかったです。富士屋ホテルはコーヒーとパンが絶品です。部屋においてあるドリップコーヒーも美味しいのですが、お土産で買おうとすると1パック180円もします。
特別な宿泊棟の「花御殿」です。
人気の高い「西洋館」です。
こちらはメインダイニングルームです。日光東照宮本殿をモデルに建てられたそうで、高山植物や花鳥が描かれた見ごたえのある天井と彫刻が見事です。クラシカルな雰囲気の中でフランス料理を楽しめます。
箱根ガラスの森美術館
2日目は箱根ガラスの森美術館へ。
ヴェネチアン・グラスの名品、約100点が展示されています。
ヴェネチアン・グラスはヴェネチアで造られたガラス工芸品で、15世紀から18世紀にかけて数多くの名品が誕生しました。
当時のヴェネチアは東西貿易の中心地として繁栄し、アドリア海の女王と謳われ、栄華を極めました。そんな中、ヴェネツィアン・グラスの技術は発展を遂げていき、卓越した技を尽くした繊細優美な輝きは、ヨーロッパの貴族たちに愛されます。
ガラスがレースのように編み込まれている、 レース・グラスが見事でした。
館内にはゆったりと散策するスペースや、レストランもあります。ガラスと陽の光が生み出す自然のイルミネーションが綺麗です。
どう見ても泥棒に入ろうとしているようにしか見えないサンタの飾り付けです。