簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード

簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード

簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』を読みました。

資産80%減からの大逆転

著者のトラモニさんは今では「先生」と呼ばれ、書籍を出版するほどのトレーダーになりましたが、元々は旅行会社に務める普通のOLでした。

2006年にFXをはじめたときには、200万円あった投資資金を40万円まで減らしてしまいます。

厳しい現実を目の当たりにして、「やはり利益を出すためにはきちんと勉強しないといけない」と一念発起。

FXトレーダーの杉田勝さんに師事しながら、夜の8時から夜中の1時まで毎日約5時間、チャートを見続けます。気がついたポイントを紙に書き出して部屋中の壁に貼るほど真剣に取り組みます。

努力の結果、FXで勝てるようになり、今では自らFXトレードを行うかたわらFXスクールの講師として活躍しています。

本書では、トラモニさんが実際にトレードで使っている、ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせたインジケーター「WBR」を使ったトレードの手法が紹介されています。

チャートを使った実践的な内容になっており、エントリーと利確のタイミングを判断するポイント、ストップロスの設定方法など、具体的なトレードの方法が詳しく解説されています。成功例だけでなく、失敗例についてもその原因や回避のポイントが紹介されており、WBRの使い方を身につけることができます。

特典として、MT4で使えるWBRのインジケーターがダウンロードできるようになっています。

ボリンジャーバンドとRSIを使ったトレード

相場に対する考え方

  • トレードルールはできるだけシンプルにする。例外を増やして何でもかんでもOKにしてしまうと、成功や失敗の原因がどこにあるのか分析ができず、改善をしていくことができない。
  • FXはトレンドが発生しやすいという特徴がある。トレンド方向にポジションを作る方が利益が出やすくなる。
  • FXはトレンドが発生しやすいが、レンジ相場も結構ある。レンジ相場で利益を出す、もしくは、損をしないことも大切。
  • 損切りポイントは必ず入れる。これさえ忘れなければ、相場でやってはいけないことはほとんどない。
  • インジケーターはひとつの目安として使う。インジケーターに大きく依存すると相場環境の変化に素早く対応できない。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドの基本

  • 価格は上下を繰り返しながら動いているものの、移動平均線あたりで価格が推移していることが多く、移動平均線から極端に離れることは少ないという考えに基づいている。
  • 統計上は3σ以上に価格が飛び出す可能性は0.3%。一般的には、飛び出した価格の戻りを狙う逆張りが推奨される。しかく、この0.3%というのが曲者で、実際には飛び出しがよく起こり、そのまま進んでしてしまうことがある。ボリンジャーの確率を鵜呑みにして逆張りにすると利益が出にくい。

ボリンジャーバンドの使い方

  • 順張りで使う。相場の動きが小さいときにはバンドの幅が狭まり、相場に動きが出てくるとバンドの幅が一気に広がる。このボラリティー・ブレイクアウトの動きを狙う。
  • 中心線にはMA(単純移動平均線)ではなく、EMA(指数移動平均線)を使う。パラメーターは20EMAがおすすめ。
  • 時間軸は問わないが、時間軸が短いとボラリティ(相場の変動幅)が大きくなり、「ダマシ」が増える。

順張りでの基本的な使い方

  1. 広がっていたバンドが縮まる
  2. ローソク足が縮まったバンドを突き抜ける
  3. +2σ、-2σを突き抜けたローソク足でエントリー
  4. +2σ、-2σのバンド内に価格が戻ったらクローズ

ロング

エントリー: +2σにタッチした陽線の上からロング
手仕舞い: +2σの中に価格が入ってきたら利確
損切り: -2σの値

ショート

エントリー: -2σにタッチした陰線の下からショート
手仕舞い: -2σの中に価格が入ってきたら利確
損切り: +2σの値

トレンド方向にのみポジションを持つ

  • トレンド方向のみにポジションを持つとリスクを減らせる
  • 20EMAが75EMAの上にある場合はロング方向のみを狙う
  • 20EMAが75EMAの下にある場合はショート方向のみを狙う

押し目買い、戻り売り

  • +2σや-2σに絡みつくように価格が上昇、下降しているときは、価格が中心線に近づいて反発したタイミングで押し目買いや戻り売りを狙うのもあり。
  • ロウソク足が中心線を串刺しにし、そのローソク足の高値(安値)を超えたらエントリー。

RSI

RISの基本

  • 投資家の心理を把握しようとした指数。
  • 一般的には「70以上になったら買われすぎ」「30以下になったら売られすぎ」と見る。
  • この考え方は価格が一定の幅で動くマーケットでは機能するが、トレンドが発生している場面では使えない。
  • 時間軸は問わないが、時間軸が短いとボラリティ(相場の変動幅)が大きくなり、「ダマシ」が増える。

RSIの使い方

  • 70以上になったら30以下になるまでは上昇トレンド
  • 30以下になったら70以上になるまでは下降トレンド
  • 70以上(30以下)になったのに、前回の高値(安値)を更新できない場合は、「そろそろ30(70)を超えてくるかもしれない」と手仕舞いの準備をする。
  • RSIのパラメーターは「9」がおすすめ。

レンジ相場でのRSIの使い方

  • RSIが70以上(30以下)になった後、比較的時間がかからずに30以下(70以上)になると、レンジが発生しやすいので注意する。
  • レンジ相場では、高値を超えられずにRSIが70以上になったらショート、安値を超えられずにRSIが30以下になったらロング。
  • 上ヒゲの陰線の下(下ヒゲの陽線の上)でエントリー。
  • 粗トップはレンジの上限(下限)に設定する。ストップが離れている場合は、直近のレジスタンスでもOK。
  • RSIが30以下(70以上)になったら利確。

ブレイクの方向性を予測する

  • レンジ相場はいつか終わり、トレンドが発生する。
  • レンジ相場で、RSIが70以上になったときに価格がレンジ上限まで近づくのに、RSIが30以下になったときに価格がレンジ下限に近づかないときは、下よりも上にブレイクする可能性が高い。
  • レンジ相場で、RSIが30以下になったときに価格がレンジ下限まで近づくのに、RSIが70以下になったときに価格がレンジ上限に近づかないときは、上よりも下にブレイクする可能性が高い。
  • 値幅が狭いレンジ相場では、RSIが70にも30にもタッチしない状態が続く。この場合は、RSIが30と70の間を行き来する直線にRSIが70以上をつけていたら上にブレイクする可能性が高い。30以下をつけていたら下にブレイクする可能性が高い。

ダイバージェンス(逆行現象)について

  • 価格とオシレーターが逆に動く現象をダイバージェンスという。
  • 価格が切り上がっているのに、オシレーターがきり下がっている。もしくは、価格がきり下がっているのに、オシレーターが切り上がっている。
  • ダイバージェンスの出現は、相場の勢いが落ちてきたと見ることができる。ダイバージェンスが出現すると、相場が反転しやすくなっていると見ることができる。それでも反転しなかった場合は、持ち合った後、また元のトレンドに戻ることが多い。

エントリー(損切り)のタイミング

  • 山(谷)ができて、その山(谷)を超えたときにエントリー(損切り)する。
  • EMAの上で陽線ができた後、最低でも1本の陰線が出現したら山と見ることができる。
  • EMAの下で陰線ができた後、最低でも1本の陽線が出現したら谷と見ることができる。

WBR(Win-Bollin-RSI)

RSIとボリンジャーバンドを組み合わせたWBR、それと20EMA、75EMAを使ってトレードをする。

WBRの基本的な使い方

  • 価格が20EMAの上にあり、かつ、RSIが中心線の上側にあればトレンドは上向き
  • 価格が20EMAの下にあり、かつ、RSIが中心線の下側にあればトレンドは下向き
  • 5EMAの下に20EMAがる状況(下落トレンド)でも、RSIが中心線の上側にある場合は「反転する可能性が高い(上昇トレンド)」と考えられる。