イエローチョーク作戦が犬のフン害対策に効果あり!

イエローチョーク作戦が犬のフン害対策に効果あり!
Photo on ぱくたそ

道路に放置された犬のフンの周りをチョークで囲む「イエローチョーク作戦」。2016年に京都府宇治市が始めたこの取り組みはフン害対策に大きな効果があり、活動はフン害に悩む全国の自治体に広まっています。

イエローチョーク作戦とは

イエローチョーク作戦とは放置されたフンを見つけたらその周りを黄色のチョークで囲み、見つけた日時を書くというもの。フンは片付けず、そのまま放置しておきます。

犬の散歩コースは毎日ほぼ決まっています。翌日以降に飼い主が同じ場所を通ったときにチョークで囲まれた様子を目にすると、「フンを放置したことを誰かに見られている」「記録を取られている」と心理的なプレッシャーがかかります。

「監視されている」という心理的プレッシャーがフン害に効果あり

犬のフンを放置する飼い主であっても、多少なりともその行為が悪いことだという認識は持っています。放置する際にも、誰にも見られていない、あるいは見られていても誰も咎めないから放置できるのです。

イエローチョーク作戦では、フンを放置した飼い主に「悪いことをしているのをしっかりと監視していますよ」というメッセージが伝わります。飼い主は悪いことだという認識があるので、誰かに見られているという心理的プレッシャーがかかるだけで、放置をやめるようになります。

翌日以降もフンが片付けられていないときは確認した日時を書き足していきます。フンが片付けられたら日時とともに「なし」と書き足します。確認した日時を書き足していくことで、飼い主に対して「しっかりと監視していますよ」というメッセージが伝わります。

フンが片付けられたときに「なし」の代わりに「パトロール中」と書く方法も提唱されていますが、兵庫県加古川市によると「なし」と書いた方が効果があるようです。

チョークで囲むだけなので誰でも、手軽にできる

チョークで囲むだけなので誰でも、手軽にできるのがこの取り組みの最大の長所です。無理のない範囲で、活動を続けることができます。チョークは雨が降るときれいに消えるので、街の景観に影響を与えません。黄色のチョークを使うのは夜間でも目立つようにするためです。

活動は全国へ

イエローチョーク作戦はフン害に悩む全国の自治体に広がっています。すでに実施している自治体では、フンの放置が激減したという成果が出ています

京都新聞によると、この取り組みを最初に始めた京都府宇治市ではフンの放置が9割減ったという成果が出ています。神戸新聞NEXTでは兵庫県三田市で約200メートルを定点観測したところ、1週間に3~4個が見つかっていたのが、ゼロ~1個に減ったという事例が紹介れています。

他にも、 東京都調布市東京都小平市埼玉県久喜市愛知県名古屋市京都府向日市兵庫県加古川市新潟県新潟市中央区などが取り組みを始めています。

イエローチョーク作戦のはじめ方

実施の中心は町内会や自治会が担います。イエローチョーク作戦を推進している自治体の中には、チョークを無料配布しているところもあります。事前に届け出が必要な自治体もあるようなので、実施の際はまずはお住まいの市区町村に問い合わせてみて下さい。多くの自治体では環境政策課が窓口になるようです。